ここを乗り切れば大丈夫など、1度きりと決めていた借金が多重債務に陥ることもあります。他にもクレジットカードを自分のお金と勘違いし利用し続けた結果、明細がきて驚くなんてことも他人事ではありません。誰もが多重債務に陥る可能性を持っています。
多重債務に陥った人がしてはいけないこと、それは一人で悩むことです。多重債務に陥ったときは、債務整理を考えましょう。今回は、債務整理の種類・流れ・費用・準備できない場合の対応について解説をします。
債務整理とは?
債務整理とは、借金問題に苦しんでいる人が、その状況から抜け出すために利用する手続きのことです。
一言に債務整理と言っても、その方法はいくつかの種類があり、当事者がおかれている状況によって、どの債務整理を利用するかの判断が必要となります。
債務整理の状況によっては闇金に追われ、苦しい選択を迫られている人もいるかもしれません。四六時中、頭の中が借金のことしかない人は、早急に弁護士へ無料相談を行ってください。今のおかれた状況からどの債務整理を行うべきか、判断してもらいましょう。
債務整理の種類
債務整理の種類は次の4種類です。過払い金請求を含めず3種類と説明する人もいます。
任意整理
任意整理とは債権者へ支払うべき利息を話し合いで無くしてもらい、月々の返済を下げることで毎月の苦しい状況から抜け出す方法です。債務整理のなかで、もっともよく利用されることから「任意整理=債務整理」と思われている人もいます。
任意整理で解決できれば、生活に制限を受けることがない方法でもあることから、周囲に知られる可能性が低いです。中には家族に内緒でことを進める人もいます。
債務の状況によっては、任意整理をしながら過払い金請求をすることで、債務を軽くできる場合もあります。弁護士に相談するときは、すでに支払いが終わった業者に関しても、説明できるようにしておきましょう。
自己破産
自己破産とは、裁判所から債務を免除してもらう債務整理のことです。法的整理により、債務の支払いが免除されれば、人生の再スタートをきることもできます。
ただ、債務だけを帳消しにするなどと言った都合の良いものではありません。債務者が財産を所有していれば、すべては債権者に分配されます。支払いのできない債務の残額が免除です。
闇金などに手を出したことで、違法な取立てを受けている人は、自己破産の手続き開始により取立てを終わらせることもできます。どうしようもない債務に悩んでいる人は、自己破産を検討するべきです。
個人民事再生
自己破産のように債務がなくならず、任意整理のように分割をして支払いを行います。任意整理のように裁判手続不要ではなく、自己破産のように必要です。つまり、2つの中間に位置するのが個人民事再生です。
個人民事再生ならば、財産を処分する必要はありません。自宅を購入し、ローンが残っている人も、持ち家をのこしつつ、債務整理を行うことができます。債務も5分の1程度に圧縮できることから、普段の生活を壊すことなく、再生が望める方法です。ただし、手続きは複雑なので、弁護士に依頼をするようにしましょう。
過払い金請求
過払い金請求は、債権者に支払いすぎた金利によるお金を、返金してもらう手続きです。過払い金の手続きが世に広まったことから、グレーゾーン金利が有名になりました。完済後でも10年は請求できる期間が設けられています。
もしかしたら過払い金かもと思われるものがあれば、弁護士に相談をしましょう。
もし神戸・東灘・芦屋で弁護士をお探しなら、力新堂法律事務所へご相談ください。
債務整理の始めるまでの流れ
借金問題は、一人で抱えている人が非常に多いのが現状です。恥ずかしい、迷惑をかけたくない、借金が増えた理由を話したくないなどの理由から、親や知人への相談ができない人があまりにも多く、それが債務を雪だるま式に増やす原因かもしれません。
多重債務に陥った人は、債務整理の最初の流れとして、真っ先に弁護士へ相談をしましょう。無理な取り立てに悩まれている人は、早急に弁護士に相談をしてください。
債務整理に必要な費用
債務整理にかかる費用を種類別に確認をしていきます。
任意整理に必要な費用
任意整理は、債権者へ弁護士が減額を申し出るもの、借入先の件数が多く借金が高くなるほど必要となる費用が高くなります。弁護士によって定める金額が違いますが、大体の目安は次のとおりです。
- ・相談料:無料~10,000円
- ・債務者への着手金(1件):無料~50,000円程度×借入先
- ・成功報酬:減額の5%~10%もしくは、1件あたり30,000円~50,000円
- ・過払い金の請求:過払い金で返還された額の20%
弁護士事務所により、金額に大きな違いがあります。無料相談をするさいに、費用面を詳しく聞くようにしてください。
これで借金が減額されても、弁護士費用が高額で意味がないのでは?と思われるかもしれませんが、債務の合計が相当低くない限り、意味のない任意整理はありません。借金の総額は支払いが長くなればなるほど、利息が高くなります。任意整理をすることで、支払額が低くなることは間違いありません。
弁護士費用を安くするため、自分で任意整理をすると考える人もいるかもしれませんが、債権者に相手にされません。お金を貸した人から「借金を安くして」と頼まれて、「はいそうですか」と簡単に受け入れるでしょうか。弁護士の肩書があるからこそ、話し合いが始まるのだと思ってください。
個人再生に必要な費用
個人再生は裁判を伴う債務整理、その分の費用も必要です。
- ・相談料:無料~10,000円
- ・着手金:200,000円~500,000円
- ・成功報酬:減額の10%~20%もしくは、着手金に含む事務所もあり
- ・申立手数料:10,000円
- ・裁判所予納金や切手代:約16,000円
内容が簡易の場合、総額200,000円程度で済む場合もあります。逆に住宅ローンがあり複雑になれば、100,000円がプラスになることもあるので、弁護士に内訳を確認するようにしてください。
自己破産に必要な費用
自己破産も、個人再生と同様に裁判が必要です。
- ・相談料:無料~10,000円
- ・着手金:200,000円~500,000円
- ・予納金やその他の経費:約30,000円
- ・債権者が訴訟を起こした場合はそれにかかる費用
自己破産を弁護士に依頼せず行ったと話す人もいますが、確実にことを進めるためには弁護士へ依頼するのが一番です。個人では、万が一の事態に太刀打ちできないかもしれません。弁護士も自己破産をされる人がお金のないことを知っています。いろいろと提案をしてくれるので、まずは無料相談を予約することから始めてください。
債務整理の費用が心配な人は?
債務整理の費用が用意できない人は、分割払いができる弁護士か、法テラスを利用しましょう。
分割払いが利用できる弁護士事務所を探す
弁護士事務所も、分割払いができるようになってきました。また、債務整理を弁護士に依頼すると、しばらく支払いがストップすることから借金に充てていた毎月の収入をためることもできます。いままで支払いに充てていたお金は使わず、必ず貯めておくようにしましょう。
減額がされ支払いが生じるようになれば、期日までに支払う必要がでてきます。支払いが一時ストップしたことに一喜一憂せず、しっかりと費用をためておくようにしてください。
法テラスの民事法律扶助制度を利用する
弁護士に無料相談をした際に、法テラスの利用を提案されることもあります。相談者が、民事法律扶助制度の利用ができる人だと判断をすれば、その手続きに必要な書類を手渡されることでしょう。手続きをすれば、法テラスが債務整理に必要な費用を立て替えてくれます。月々の支払いも1万円、それでも生活が苦しい場合は5,000円程度にまで下げてくれるかもしれません。無理のない返済ができます。
また、自己破産に伴い生活保護の需給を余儀なくされた場合は、返済が免除されます。費用が準備できない場合も含め、弁護士に早急に相談をするべきです。